ギターとは。

ギターとは。

エレキギター とは、自分にとって何か?

いつかの取材で、僕はこう答えた。
「愛をアンプリファイ(増幅)するもの」

なかなかいい答えだ、
と我ながら思う。

ギターはたしかに
単なる道具以上のものだ。

いや、ものと言っては差し支える。

これは生きている木を切り倒して
幾人もの職人の手を経て
精密なパーツが取り付けられ、
僕の腕に抱かれている、いわば相棒だ。

例えば
雑然とした楽屋にギターケースが転がっている。
よくある風景だが
僕は、それを跨いで歩きたくは無い。

それを人だと思えば、自然とそうなるだろう。
人が大事にしてる相棒なら、やはり自然と敬うだろう。

ギターは、好きだ。とりわけエレキギター 。

エレキギター の音が、君の耳に届くまでには無数の要素がある。
ギター本体の性質はもちろん、
ピック、弦、シールドコード、アンプ、スピーカー、果てはそれぞれの機材に使われてるハンダまでも音に作用するというのだからおそれいる。

エレキギター の音を変化させる、エフェクターも大好きだ。

なぜかは分からない。
そこにはふんだんに浪漫が含まれているからだろう。浪漫だけじゃ足りないな。浪漫と、気分だ。

昔からB級の機材ばかり選んできた。
おいそれと高級品を買えない、ということもあるが、
意識的に選んできた、と言っていい。

高級ギターを抱えているヤツらに
安価なギター×アイデアとセンスで勝ってやる、
そんな風に思いあがっていた。

思いあがっていた期間が長かったので
それが僕の基本姿勢になってしまった。

しまった、と書いたが
僕はこのアティテュードは気に入っている。
そして今でも機材探しの旅を楽しんでいるんだ。

高級品を買えば済む話。
それはあながち間違ってない。

この世には
ファイナルアンサー的な機材、というものがある。
おそろしく高品質で、利便性に富む。
それを買えば、機材探しの旅は終わる。
これ以上散財しなくて済む。

分かっているのに
またB級、C級の機材に手を伸ばす。

ファイナルアンサー的な機材、
僕の経験と個人的な所感から言えば

棹なら例えば
フェンダー社のカスタムショップ製、マスタービルダーの手によるもの。
PRSのプライベートストック。(弾いたことないけど)

エフェクター類なら
ケンパー。

そのふたつが揃えば、
たぶん旅は終わり。
狩ったヘラジカの頭の剥製のように
ギターを壁に掛けて、
気が向いた時に降ろして
柔らかいソファに座り
暖炉の前でチロチロと弾くのだろう。
ああ、それもいい人生さ きっと。
でも僕の性には合わない。
もっとヒリヒリしたくなる。

完璧じゃない棹と格闘し、
シールドコードやパッチケーブルの色味をそろえて悦に入り、
ほどほどの値段のペダルを踏んづけて
どうにかマトモな音を出す。
人はそれをノイズと言うかもしれない。
でも、それでいいんだ。
それが、良いんだ。

君をドキドキさせる自信はあるよ。

傷彦薔薇園

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